遺言とエンディングノートの違いを、とても簡潔にまとめると、
遺言はエンディングノートに比べて、いろいろ「決まり」があるが、その分「効力が確実」なもの

となります。

遺言のもつ法的効力

遺言は、それが「有効」となるためには、遺言の種類と共通して大事なことでご説明しているように、いろいろな決まりがあります。だからこそ、有効な遺言は「法的な拘束力」を持つことになります。

たとえば、

  • 相続人間での遺産の分割のしかた
  • 相続人以外への遺贈、寄付

は、遺言であれば強制力をもって定めることができます。(注:ただし、伴侶や子供が持つ最低限の取り分の権利(遺留分)は優先されます)

遺言で書くことで「法的」な効力を持つ項目は、主に上記のような財産の処理に関することですが、それ以外にも「子供の認知」「相続人の廃除」といった若干の身分に関するものとともに、「民法」で明確に定められています。

エンディングノートとの役割分担

いっぽう、それら法律で定められたこと以外も、遺言で書くことはできます。公正証書遺言においては「付言」という項目がそれにあたります。しかし、この付言には法的効力はなく、まさに名前のとおり「補足事項」です。

もちろん、たとえ法的効力は無くとも、故人の最後の意思として、残された方へのメッセージは伝わります。しかし、むしろそうした内容は、「法的効力」を目的とする遺言ではなく、記載内容については自由なエンディングノートに記載する、としたほうが、位置づけがはっきりとし、わかりやすいかもしれません。 また、エンディングノートにはご自身の望む旅立ち方について(存命処置への要望)なども、自由に記載することができます。

 

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